発明やアイデアの話はおもしろい。
特許制度によりその内容がオープンとなったことで悪影響もあるようだが、内容を一般人も知ることができる価値はとても大きいと思う。
本書は特許に関する業務を行って来た著者が、実際に出願された特許内容の実例をわかりやすく紹介している。
- 目次 -「雪見だいふく」はなぜ大ヒットしたのか - 77の「特許」発想法
- 第1章 先進企業から生まれた大ヒット商品
- 第2章 優れモノの陰には特許がある
- 第3章 「未来先取り」特許を大公開!
- 第4章 これは凄い!もうかる特許
- 第5章 これぞ日本人のアイデア!
- 第6章 知っておきたい特許のトリビア
- 第7章 人類の歴史は特許の歴史
難しい専門用語や説明はなく、また日本人による特許の例が多いのでその内容は身近なものであり実感がしやすい。
そもそも特許については知っているようで知らないことがたくさんあるので簡単にまとめてみる。
Wikipediaによると(http://ja.wikipedia.org/wiki/特許)
”特許は、有用な発明をなした発明者またはその継承人に対し、その発明の公開の代償として、一定期間、その発明を独占的に使用しうる権利(特許権)を国が付加するものである”とある。
アイデアを公開する代わりにそのアイデアを一定期間独占的に使っても良いというものだ。
発明者・考案者の権利を守ると共に、そのアイデアを他の人へも公開することにより、世の中に役立てようとする目的となる。
本書ではこの「特許」も含め、産業財産権の「特許」「実用新案」「意匠」「商標」に関する例が書かれている。
それぞれの簡単な説明は以下。
産業財産権
2.1 特許 … いままでにないものを”発明” 権利の存続期間:20年
2.2 実用新案 … すでにあるものを組み合わせた”考案” 権利の存続期間:10年
2.3 意匠 … 美術工芸品・工業製品などの装飾・デザイン 権利の存続期間:20年
2.4 商標 … 商品やサービスにつけられる標章 権利の存続期間:10年
本書によると、競技人口5億人とも言われる「オセロ」も日本人のアイデアであり、テレビの基本的な仕組みを完成させてたのも日本人だそうだ。
しかし、テレビについては特許の出願が遅れて米国特許に先を越されたというエピソードがある。
自動販売機を作ったのも日本人で、しかも木製で偽コインも判別できたとか。これはタバコの自動販売機が最初だったという。
日本中が自販機だからなのは安全だという理由以外にも自販機の母国だからだったということだ。
プラスネジを考案したのも日本人だそうだ。
TOTOの「台所用健康管理装置」というアイデアはトイレと台所が無線でつながっていて、トイレでの排泄物の情報を台所へ伝えて食事のアドバイスをするというもので、これは近い将来実現するのではと思う。ウォシュレットに引き続き世界を驚かせてほしい。
海外ではアメリカ大統領のリンカーンも特許を取得しており、「人民の…」で有名な言葉の他に特許に関しても「特許制度は天才という火に利益という油を注いだ」という言葉を残しており、それの言葉は米国特許庁の玄関に刻まれているという。
この言葉のとおり特許制度は個人・企業にとり利益を生むとても大切なもので、最近ではアップルとサムスンが世界中で特許に関して争っているのも記憶に新しい。
近年では日本でも企業が知的財産について敏感になってきているが、これからは個人も自分の価値として考え方やアイデアが求められてくるので、お正月の暇なときにでも特許を少し意識しながらアイデアを妄想してみるのも面白いかもしれない。
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